もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら ~「欲しいスタンド論争」に決着をつけるブログ~

「もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら、どのスタンドを選ぶのが良いか」を多方面から考察するブログです。

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「マジェント・マジェント」の「20th Century BOY」

能力値

能力

  • このスタンドを身に着けている間は全てのダメージを地表に受け流す無敵状態となる。

 

  • ただし、スタンドを身に着けている間は一切動けない

評価

有用性:★★★★☆

 

このスタンドを使うことであらゆるダメージを、死を回避できる完全無敵状態となれます。乗ってる飛行機が墜落しようが巨大隕石が落ちてこようが無傷。人生ではどんな危険が襲ってくるか分かりませんから、この能力で絶対的安全を手に入れるのはアリです。

 

作中でマジェントは海に沈む中でこの能力を使い、海底で無限に生き続けることとなりました。つまり、能力を使っている間は溺死、老衰死だろうと回避できるということ。

 

強制延命能力とでも言いましょうか。数分で失血死するような大怪我をしても、スタンドを被ってじっとしておけば、救急車が来て治療が完了するまでの時間を稼げます。もっと言えば、何百年も何千年もスタンドを被っておいて技術の発展を待つ、いわゆるコールドスリープ的な使い方もできるわけです。

とはいえ、後者に関しては理論的に可能というだけの話。実際は能力発動中も意識があるので、どんなに忍耐強い人でも数か月でギブアップでしょう。

 

しかし、「老衰」という現象すらも逃れられるのはやはりロマンを感じてしまいます。年単位は無理にしても、テレビを見ている時や寝る時など、動かなくていい時にちょこちょこと発動しておけば寿命を底上げできることでしょう。(寝返りすら打てないのは危険そうですが)

1日7時間発動するとしてそれを50年続ければ、実に127750時間、14年半も寿命が延びることになります。

 

安全性:★★★☆☆

 

能力を使っている間は無敵ですから、文字通りの絶対的安全と言えます。しかし、それと同時に「動けない」という最悪の無防備状態を晒すことになるため、敵の前で能力を発動してしまうと、海に沈められてそのまま死を待つだけの身となる危険もあります。

 

悪用性:★☆☆☆☆

 

「能力発動中は動けない」という制約のせいで出来る悪事は限られますが、一番有効なのは原作でも行われた自爆でしょう。「自爆」でありながらノーリスクで実行できます。

実行後はすぐに逃げ出さないと簡単に確保されてしまうでしょうが...

 

自衛力:★★☆☆☆

 

無敵になれるスタンドです。油断して能力を解かない限り、決して殺されることはないでしょう。

ただ...能力の発動中は一切動くことができません。その間に海中に沈められるとか樹海に放置されるとかしたら、来るかも分からない助けを待ち続けるか、潔く能力を解除して死ぬか、地獄の2択を迫られる羽目になります。

防御力の高さだけではスタンドバトルを生き抜くことはできません。

 

操作性:★☆☆☆☆

 

発動方法は「スタンドを着るだけ」と至極簡単ですが、発動中は動けないという制約があります。

早い話、ずっと銃口を向けられてたりしたらいつまで経っても能力を解除できません。

作中で脅威になったのはウェカピポとのコンビが良かっただけで、単独で使うならこれほど不便な能力はないでしょう。

総評

ピーキーな性能ゆえ、自衛力も操作性も微妙。絶対的安全が保障されるという利点はありますが、日常生活で遭遇する危険程度なら何らかの近距離パワー型スタンドで十分です。

このスタンドにしか出来ないことは、老衰を受け流して寿命を延ばすこと。魅力的ではありますが、大して革新的な活用法ではありません。この能力を選んで寿命を少し延ばすぐらいなら、他の能力で80年ほどの寿命をめいっぱい楽しんだ方が良いでしょう。

というわけで、20th Century BOYの総評は、Dです。

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第7部 スティール・ボール・ランのスタンド一覧

 

「アヌビス神」

本体:キャラバン・サライ、チャカ、カーン、ジャン=ピエール・ポルナレフ、少年

能力値

能力

  • アヌビス神が宿っている刀。触れた人や動物を洗脳し操ることができる。

 

  • 相手と戦いながら力やスピード、戦法を学び成長していく

 

  • 物体をすり抜けて斬りつけることができる。

 

  • 太い柱を真っ二つにできるほど切れ味が良い。

評価

有用性:☆☆☆☆☆

 

作中でアヌビス神を手に取った者はみな操られていました。この描写に乗っ取ると、この能力は手に入れた瞬間洗脳されてしまうことになります。でも一応、DIOはアヌビス神を懐柔して手下に加えていたので、話術次第で友好的な関係を築ける可能性はあります。

 

洗脳されてしまった場合は論外ですから、ここからは上手く協力関係を築けた時のことを考えましょう。さて、日常生活で使おうとした場合。…特に使い道が思いつきません。やはり戦闘力特化の能力は出来ることの幅が狭く、日常で活かしづらい。

そして戦闘特化のスタンドとしてはあろうことか、自衛用として使う時も微妙です。詳しくは自衛力の項で。

 

安全性:☆☆☆☆☆

 

原作でアヌビス神を手に取った者は仲間や家族すら切り捨ててしまいましたから、安全は全く保証できません。

 

悪用性:★★☆☆☆

 

悪事に使えそうなのは「洗脳」の能力。

刀を持たせている一人だけ思うがままに操れます。しかしながら、唯一の武器を持たせているということは当然自分は丸腰ですし、一人しか操れないというのは正直微妙。

戦闘力を底上げできるという利点はあるとはいえ、1000人だろうと操れるジャスティスの方がはるかに優れています。

 

自衛力:★★☆☆☆

 

戦闘特化の能力だけあって、自衛力はなかなかのもの。スタープラチナのパワーとスピードに打ち勝った数少ないスタンドです。

ただし…それは能力を十分に活用できた場合の話。何せこのスタンド、一般人に視認できる上、見た目は普通の刀と何ら変わりありません。つまり、日頃から持ち歩く難易度が高いのです。

外出先で敵に襲われても対抗できるように常に鞄に忍ばせておかなくてはならないでしょうが、もし中身を見られでもしたらお縄。

戦闘力の高さと引き換えに、使用リスクも高い能力です。

 

操作性:☆☆☆☆☆

 

アヌビス神は戦闘を通じて学習・成長していき、本体の体を自動で動かしてくれます。素人でも10年修行を積んだポルナレフと渡り合えるぐらいになるので、刀を使う練習をする必要はありません。

問題は、アヌビス神と友好的な関係を築けないと、操られてしまう可能性があるということ。 DIOは持ち前のカリスマで手下にできていましたが、洗脳のプロである彼をあべこべに懐柔するのは困難を極めそうです。

総評

アヌビス神を使うには、まずアヌビス神と協力関係を結ぶ必要があります。この時点で他のスタンドより数段不便です。しかも、失敗すれば逆に操られてしまうことになります。

たとえ使えるようになったとしても、日常で活かせるような状況がない上、一般人にも見える特性上携帯する難易度が高く、自衛力も低め。

リターンの割にリスクが高すぎるため、貰わない方がマシな部類のスタンドです。

というわけで、アヌビス神の総評は、Eです。

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第3部 スターダストクルセイダースのスタンド一覧

 

【剣を使うスタンド】

jojo-stand.hatenablog.com

 

「東方鳩」の「ウォーキング・ハート」

能力値

不明

能力

  • 本体の両足のかかとを硬質化して伸ばすことができる。長さは4m程度

 

  • 靴を履いていれば靴ごと伸びる。

評価

有用性:☆☆☆☆☆

 

かかとを伸ばすだけの能力を日常で活かすことはできないでしょう。伸びたかかとを壁に突き刺して登るという使い方はありますが、壁に穴が空いてしまうので普段使いは無理です。

 

安全性:★★★★☆

 

伸びたかかとは体を貫けるぐらいには鋭利なので取り扱い注意。

 

悪用性:☆☆☆☆☆

 

用途が暴力的な方面に限られるので、悪用の幅は狭いです。

 

自衛力:★☆☆☆☆

 

この能力、スタンド像はあるものの、作中では本体の背後に立っているだけで特にアクションはしてくれませんでした。よって、自衛は本体のかかとだけで行うことになります

伸ばしたかかとは威力はそこそこありますが、ただ突き刺すだけしかできない上に射程はたった4m。数あるスタンド使いを相手するには心もとないです。

 

操作性:★★★★☆

 

シンプルな能力なので扱いは楽そうです。ひとつ懸念があるとしたら壁登りの難易度。

作中では平然とかかとを壁に突き刺して登っていましたが、普通壁と垂直の体勢になったら腹筋や足腰への負担は凄まじいでしょう。

本体がモデルというスタイル命の職だったからこそ成しえた技である可能性があります。

総評

シンプルな能力すぎて用途が限られる上、自衛力もイマイチ。発現するシーンは大好きなんですが、「欲しさ」で言えば評価は低くなります。

というわけで、ウォーキング・ハートの総評は、Eです。

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第8部 ジョジョリオンのスタンド一覧

 

「セッコ」の「オアシス」

能力値

能力

  • スーツ型のスタンド。

 

  • 自身の周りの物質(生物も対象)を泥のような状態に変化させる

 

  • 能力が解除されたり本体から離れたりすると泥化は元に戻る。

 

  • 本体の身体能力を強化する性質もある。

評価

有用性:☆☆☆

 

このスタンドでやれることは物を溶かすだけです。日常で役立つ余地があるとすれば、地中を泳いで速く移動するぐらい。

しかしこれをやろうとすると地面を柔らかくした影響で建物の倒壊などの被害が生じてしまいます。普段使いは厳しいです。

 

安全性:☆☆☆☆☆

 

この能力が引き起こす状態は液状化現象に通ずるものがあります。となると、現実同様ビルが傾いたり地盤から水が吹き出したりといった被害が予測されるため、気軽に使うわけにはいきません。

 

また、周囲のもの(特に手で触れたもの)を無差別に溶かしてしまう性質。これは自分にも例外なく働きます。うっかり能力を発動したまま頬に手をやったりすると、顔がドロドロに溶けてしまうので注意しましょう。

 

悪用性:★☆☆☆☆

 

地面を泥化させれば良い迷惑にはなりますが、特にやるメリットもありません。

 

自衛力:★★★☆☆

 

地中に潜れば相手の攻撃をシャットアウトしながら猛スピードで追跡でき、そのまま引き摺り込めば相手を地面に拘束して一方的に攻撃できます。

(ただし、使いこなす難易度は高め。詳しくは操作性の項で)

 

さらに、このスタンドを身につけると本体の身体能力も強化されます

具体的な例を挙げると、口から発射した角砂糖でリボルバーの弾丸を弾き返せるレベル。

強化されたのは打ち出す速度か角砂糖の強度か、あるいはその両方か。それはよく分かりませんが、とにかく凄まじい強化がなされていることだけは分かります。

 

本体が触れていた物も強化を受けるということは、その辺の石ころを拾って投げつけるだけでも非常に強力です。

 

操作性:★★☆☆☆

 

単行本掲載のこのスタンドの説明に、「土中では目は見えないが、セッコは原始的な才能で敵を追う」というものがあります。

つまり、地中では周りが見えないので、感覚だけを頼りに移動しなくてはいけないということです。

確かに、作中でもセッコは鋭敏な聴覚を頼りに相手の位置を探っており、それを鼓膜を破られて失った際はブチャラティと車の見分けさえつかなくなっていました。

鍛え抜かれた聴覚がないと、この能力を扱うのは難しそうです。

総評

この能力は液状化に似た現象を引き起こすので、使うと様々な被害が発生します。

やはりチョコラータの相棒というべきか、使うと嫌でも周囲に迷惑がかかってしまう代物。手に入れても使う機会は無さそうです。

というわけで、オアシスの総評は、Eです。

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第5部 黄金の風のスタンド一覧

 

【相棒】

jojo-stand.hatenablog.com

 

「ヴィヴァーノ・ウエストウッド」の「プラネット・ウェイブス」

能力値

能力

  • 隕石を自分に向かって落とす

 

  • 隕石は自分の目の前で燃え尽きて消滅する

評価

有用性:☆☆☆☆☆

 

隕石を落とすだけの能力を日常で活かすことはできないでしょう。

隕石を分析できれば宇宙化学の発展に一役買いそうですが、目の前で燃え尽きてしまうのでそれも叶いません。

 

唯一の使い道は、流れ星を自在に発生させる能力として使うこと。ロマンチックではありますが、お世辞にも役立つとは言えません。

 

安全性:☆☆☆☆☆

 

隕石は、石ころ程度のサイズでも人を殺すのに十分すぎるほどの威力があります。

屋根も簡単に突き破ってしまうので、室内で使うのは厳禁です。

 

悪用性:☆☆☆☆☆

 

このスタンドの悪用方法は、気に食わない相手に隕石をぶつけたり、屋根を穴ぼこだらけにしたりするぐらいしかありません。

 

自衛力:★☆☆☆☆

 

隕石を攻撃に使えるので、威力だけは他のスタンドより高水準です。

しかし、それは当てられたらの話。隕石は自分に向けてしか落とせないので、その軌道上に相手を入れる必要があります。

 

確実なのはヴィヴァーノ・ウエストウッドよろしく羽交締めにすることですが、スタンド使い相手にそれをやるのは至難の業。

スタンド像は存在するものの、本体の側に佇んでいるだけで特に相手を押さえつけるといった行動は行ってくれないので、本体の身ひとつで捕まえる必要があります。

 

操作性:☆☆☆☆☆

 

室内で使うと天井に穴が開くわ、隕石がとてつもなく目立つので周りの人間に位置がバレるわ、スタンド像は物を動かしたり相手を殴ったりはできないわで、使いこなすのは困難です。

総評

まず、スタンド像が物を動かすなどの行動が行えない時点で評価が著しく下がります。

能力も隕石を落とすという単純なもの。威力は確かに凄いですが、当てる難易度を考えると自衛力も大してありません。

というわけで、プラネット・ウェイブスの総評は、Eです。

関連

第6部 ストーンオーシャンのスタンド一覧

 

元ネタ

イギリスのファッションデザイナー「Vivienne Westwood

 

「Bob Dylan」のアルバム「Planet Waves

 

 

The JOJOLands(ジョジョランズ) 16話 「あの娘のバグス・グルーヴ その①」 感想

 

今月もジョジョランズ感想書いてきます。これがあるから一か月頑張れるというものよ。今回の話は見どころまみれでかなり好きです。興奮のあまりいつもより長文になってしまった。

では、16話「あの娘のバグス・グルーヴ その①」の感想です。

 

今回の話のポイント

VS 体内のスタンド

前回から引き続き体内のスタンドとのバトル。

ジョディオはドラゴナに倒し方を伝授します。

それはドラゴナがスムース・オペレイターズで敵スタンドを右肺から引きずり出し、ジョディオが口からノーヴェンバー・レインの雨を入れて攻撃するというもの。

この作戦は無事成功。ドラゴナは一命を取り留めます。幼少期から一緒にいる二人だからこそ出来た見事なチームワーク!

 

しかしウサギの方はもうスタンドが脳へ入ってしまった。脳の中は複雑だから探せない。そこでジョディオは病院に向かってMRIを使うことを提案します。病巣の位置を特定できればスタンドの位置も分かると。

 

9部チームのスタンドは万能なものが無いので、工夫を凝らさないと勝てないのが面白いですね。まさか能力バトルでMRIという現実の医療技術を使うとは思わなんだ。

ここにもしハーミットパープルがいたら簡単にテレビに体内を映せちゃいますからね。一人一人の能力が弱い分スリリングな綱渡り的展開を楽しめる。

能力の制約が多くても面白い展開を描ける荒木先生は本当に凄いなあ...

 

スタンド使い登場!

場面は監視カメラの映像を見る人物たちに移ります。一際存在感を放っているのがボビー・ジーン捜査官というお爺さんと、「フラニャンダンサー」というフィギュアをやたら欲しがる女の子。

女の子はフィギュアを欲しいとごねまくったり警備員のお兄さんを見下した発言をしたりと、いかにも甘やかされて育ってそうな感じ。

しかし、監視カメラの映像からすぐにDEEDの原本に触れた三人(ドラゴナ、ウサギ、チャーミング・マン)を割り出し、スタンド使いであることも見抜くなど、実力は確かなようです。

そしてこの女の子こそが今ジョディオたちを襲っているスタンドの本体で、スタンド名はタイトルにもある「バグズ・グルーヴ」と判明。

元ネタは「Miles Davis」のアルバム「Bag's Groove」。

www.youtube.com

 

ボビー・ジーン捜査官の方は「Bruce Springsteen」の「Bobby Jean」という曲が元ネタ。

www.youtube.com

 

ボビー・ジーンは本来HOWLERの不正を追うべき捜査官という立場でありながら、HOWLERの不正に加勢する人間のようです。

正義側のはずの人間が悪事を行っている。これは1話のセクハラ警官や2話の嘘をついて証拠を押さえた警察官のお姉さんのように、度々描かれてきています。

ジョディオ達からしたら、正義を名乗り、自分たちを悪呼ばわりする人間たちが悪事を行っている状況。これが9部のテーマである「不条理」のひとつなんでしょうね。

MRIを求めて病院へ向かう一行

病院に到着した一行。ジョディオはMRIと間違えてICUのフロアに来てしまいます。

アルファベット大文字3文字を見分けるのは苦手だよとのこと。確かにチャーミング・マンの自己紹介の時に言ってたけど...お前さっきまでMRIってめちゃくちゃ言ってただろw

しかしそんなうっかりミスのおかげで、一行はHOWLERの土地獲得に大きく近づくことになります

ICUのフロアには、バグズ・グルーヴの被害に遭った登記所のお姉さんがいました。そしてその父親も。それぞれ名前は「ソフィ」と「ホワイト議員」。

ホワイト議員は自分がHOWLERの不正について調べていたから娘が毒を盛られたのだと確信。悲しみに暮れ、HOWLERの土地を差し押さえて不正を暴いてやろうとします。

差し押さえるための書類にサインを済ませ、あとは指紋認証をするだけ。しかし証拠不足なので踏ん切りもつかない…というところで響く電子音。ソフィの心肺が停止してしまったのです。書類を置いて駆け寄るホワイト議員。

それを見た一行は、溶岩が土地を引き付けている最中なのだと確信。指紋をスムース・オペレイターズで動かし、認証を完了します。

 

疑問点

ダメージフィードバック

自動追跡型スタンドはやられても本体にダメージが反映されないのが特徴のひとつなのですが、自動追跡型のはずのバグズ・グルーヴが一体やられた際、本体の女の子は鼻血を出していました。このスタンドは例外ってだけですかね。

HOWLERの土地不正とは?

HOWLERが土地を不正利用しているということは作中で繰り返し言われているのですが、具体的にどういった悪事を働いているのかはまだ分かってません。これはじきに明らかになるでしょう。

バグ「ス」・グルーヴ? バグ「ズ」・グルーヴ?

今回明らかになった体内のスタンドの名前。タイトルでは「バグ・グルーヴ」ですが、女の子は「バグ・グルーヴ」と呼んでいます。どっちが正しいんでしょうか。まあ大人しく次回を待ちましょう。

 

解消された疑問

THE MATTEKUDASAIのフェイク映像

THE MATTEKUDASAIが作るフェイク映像について。露伴邸での描写だと「『本物の映像』と『フェイクの映像』両方が残るので証拠としての能力を失う」というような能力に見えましたが、今回、カメラに変身しておけばフェイク映像の方しか残らないことが分かりました。

また、露伴邸の時とは違いフェイクの精度も上がっていました。(以前は少し髪型やアクセサリーが違う程度だったが、今回は全く別人に見えるレベルになった)

その他気になったこと

ジョディオの「兄さん」呼び

ジョディオが初めて仲間の前でドラゴナを「兄さん」と呼んでました。

今まではそういったことはなかったので、ややこしくならないように意識して呼び分けてるのかなと思ってたんですが、特にそういった配慮をしているわけではないようです。

ウサギは「兄さん」呼びに引っかからないのかな?告白までしたぐらいですし女性だと思ってそうですけど...

オータニさん登場

ホワイト議員の口から「オータニ」という名前が出ました。これは言わずもがな野球選手の大谷翔平のことでしょうね。こういう現実世界とリンクしてるような描写、好きよ。

 

ジョジョリオンでは「アー君」というマー君を意識したような野球選手が出ましたが、大谷翔平はそのまま。

まあ、アー君の方はロカカカを食べて顎が崩れ落ちるというショッキングなシーンがあるので名前をそのまま使うわけにはいきませんからね。

初めての死

スタンドに襲われた登記所のお姉さんがまさかの死亡。9部で人が死ぬのはこれが初めてです。

9部はそこはかとなく陽気な空気感があるとはいえやはりクライム・サスペンス。シビアな世界観であることを思い知らされました。

 

このお姉さんが死んだ直接的な原因はもちろんバグズ・グルーヴなわけですが、元はといえば一行が原本の閲覧をしなければ彼女は無事でいられたわけですよね。

つまり一般市民を間接的に殺してしまった、とも取れるわけで。不本意とはいえ人の生死に関わってしまった一行に何か心境の変化はあるのでしょうか。

 

今後の展開

今回のお話は最初から最後まで内容ぎっしりで面白かった。好きなページが多すぎる。

ジョースター兄弟の協力技、メインヴィランとなりそうなHOWLERの関係者の登場、そして最後の指紋を動かすスムース・オペレイターズを見守る5人の覚悟の決まった表情の格好良さ!

ドラゴナがウサギを「見捨てない」と言ってくれたのも良かった。まだまだ辛辣な扱いを受けがちなウサギだけど、徐々に信頼関係が築けているのが分かって嬉しい。

 

さてここからは考察。ここまで見た感じ、溶岩には物品を引き付ける時周囲の人間を不幸にするというルールがあるように思えます。20ドルの時はスプライトに蠅が入る、腕時計の時はレオ君が腕時計を紛失して彼女に振られる、そして今回は遂に死人が出てしまった。

ヴァレンタイン大統領が言及したように「良い事」と「害悪」はプラスマイナスゼロであって、溶岩を行使すればするほど、周囲の人間が相応の対価として犠牲になっていくのでしょう。

 

一行はその性質に気づいた後でも溶岩の使用を続けるのかな?

言動を見るに一般人を巻き込みたくないという情はあるように見えますが、いよいよとなれば他人を不幸にしてでも幸せを掴もうとしそうな感じもします。チャーミング・マン以外はみんなまだ20歳前の小僧ですし。

一行がどちらの選択をとるのか、そしてもし他人を不幸にする方を選んだ場合。ジョジョで「過程」を重視しなかった者は碌な目に遭わないので、彼らをどんな結末が待ち受けているのか。非常に気になります。

 

私の主観だと、ジョディオは悪に染まる予感がビンビンしてます。

理由は単純。ジョディオが最初から明確な悪として描かれているからです。

ファンの間では、ジョディオはよくジョルノと比較されます。確かに年齢が一致しますし、悪事に手を染めているところや雰囲気は似ています。

でも、この2人には決定的な違いがあります。それは、ジョルノは悪のガワを被った正義として描かれているのに対し、ジョディオは純粋な悪として描かれていること。

ジョルノは麻薬を青少年に流すギャングを討ち取るためにギャングになったのに対し、ジョディオは1話目から高校生相手に麻薬の売買を行っています。目的もジョルノのように殊勝なものではなく、終始「大富豪になる」「カニズムの頂点に立つ」という極めて利己的なもの。

極めつけはジョディオという名前。ディオは一番の金持ちになるという目標を達成するために恩人を毒殺しようとするほど手段を選ばない男で、スピードワゴンも「生まれついての悪」と評した人物です。

ここまで見た感じ、ジョディオは明らかにジョルノではなくディオ寄りの人物として描かれていることが分かります。

今まで悪のポジションにいたディオと、似通った人格を持つ人物が主人公。そうなると、ジョディオは、ディオが心半ばで頓挫した「一番の金持ちになる」という目標、さらに言えばディエゴが達成できなかった「社会(ここではメカニズム)の頂点に立つ」という目標を代わりに遂行する人物であると考えるのが自然でしょう。

©「ジョジョの奇妙な冒険」1巻・「スティール・ボール・ラン」6巻より
ディオとディエゴ。二人の少年が届かなかった願いを叶えるのがジョディオというキャラクターなのではないか?

そう考えると、ジョディオが「大富豪になる」こと、「メカニズムの頂点に立つ」ということは絶対的条件となります。ということは自然と、他者を不幸にすることを承知で溶岩を使うということに。

しかし考えてみてください。ディオとディエゴが失敗した理由は何でしょうか。二人とも「過程を疎かにした」からです。ディオは自分の目標を達成したいがあまり、恩人を手にかけようとしました。ディエゴは聖なる遺体の力を目の前にして、「自分の母親が無関心な社会のせいで死亡した」という自分の原点とも言える出来事を水に流してしまいました。

この理論に当てはめると、単純に溶岩を使うだけではジョディオは決して幸せにはなれないでしょう。別の切り口が必要です。

何度も「これはひとりの少年が亜熱帯の島々で大富豪になっていく物語」と銘打っているあたり、大富豪の夢は諦めたけど幸せだよ~なんて結末は考えられません。

彼に残された選択肢は2つ。

 

① 溶岩を利用して大富豪にはなるが、同時に不幸にもなる

② 溶岩が呼び起こす不条理に決着をつけて、真面目に働いて大富豪となる

 

ハッピーエンドなのは②です。今のところ、「不条理」という言葉が出てきたのは「ドラゴナのいじめ」「チャーミング・マンが溶岩の見つかったフアラライ山で弟の捜索を妨害される」「登記所のお姉さんが主人公チームが溶岩を使った影響で死亡する」の3つ。3つ中2つが溶岩関連です。

そうなると、「溶岩を使うこと」=「不条理を他人におっかぶせること」と言い換えられます。「溶岩を大切にすれば『メカニズムの頂点に立てる』」=「他人に不条理を押し付けられる立場になる」とも言い換えられ、繋がります。

 

不条理を他人に押し付けるなんて過程を重視しない行動をとっていれば、確実に宿命が追い付いてきて、不幸になるでしょう。ならば、不条理の大本である溶岩を破壊して、真面目に働く。これがハッピーエンドの唯一のルートです。

 

とどのつまり、9部は「悪人は幸せになれるのか」というテーマです。

勧善懲悪の原則に則るなら、「それは無理」が答えです。

生まれついての悪であるジョディオは、「悪人は幸せになれないことを受け入れる」か、「幸せになりたいから、自分を捻じ曲げる」かのどちらかを選ばなくてはいけません。どちらも地獄の苦しみが待っていることでしょう。15歳の彼にはあまりに重すぎる選択です。

9部は明るい雰囲気に見えて、描こうとしているものはどの部よりも禁忌的でドス黒いものなのではないか。16話で初の死者を見て、そんなことを考えました。

 

関連

【次回】

jojo-stand.hatenablog.com

 

【前回】

jojo-stand.hatenablog.com

 

【感想一覧】

jojo-stand.hatenablog.com

 

「山岸由花子」の「ラブ・デラックス」

怒ると毛量が増えたりダメージを負うと白髪になったりと、本体の精神状態によって状態が大きく変化することから、髪の毛を操る無像型スタンドではなく髪の毛と同化したスタンドと捉えます。

能力値

能力

  • 髪の毛と一体化しているスタンド。自由に操作できる。射程距離は数10m

 

  • 髪の毛を他人の頭皮に植え込むこともでき、その髪の毛を操作することで植え込んだ対象を動かせる。ただし、一定の長さまで切られると無効化される模様。

評価

有用性:★☆☆☆☆

 

髪の毛を使ってどうこうするというよりは、毛量を自在に変化させられることを利用してイメチェンに活かすのが良さそうです。作中では家を覆い尽くすまでに毛量が増えました。

 

安全性:★★★★★

 

このスタンドを使う上で特に危険は生じません。

 

悪用性:★☆☆☆☆

 

使い道が暴力一辺倒の能力なので、悪用の幅は広くありません。髪の毛を植え込んだ対象を動かすという使い方もありますが、髪をある程度切られると無効化されてしまいます。

 

自衛力:★★★★★

 

髪の毛を自在に操れるというのは、すなわち無数の触手を使えるようなものなので弱いはずはありません。

作中で由花子はこのスタンドで自分の体を軽々と支えており、パワーも十分*1

 

髪という現実の物質がスタンドという性質上、いくら攻撃されても本体にダメージがいかないという利点もあります。

 

操作性:★★★★★

 

能力の性質上髪の毛が無いと使えないわけですが、スタンドゆえその気になれば新しく生やすこともできそうです。

能力もシンプルですから扱いは簡単でしょう。

総評

自衛力の高さは評価出来ますが、日常で使うとなると毛量を増やすことによるイメチェンぐらいしかありません。悪用の幅も狭いため、あえて選ぶほどのものではないでしょう。

というわけで、ラブ・デラックスの総評は、Dです。

関連

第4部 ダイヤモンドは砕けないのスタンド一覧

 

【髪の毛の能力】

jojo-stand.hatenablog.com

 

【毛を操る】

jojo-stand.hatenablog.com

 

*1:実行はされなかったが家を圧壊させることもできる模様。