
今回のエピソードは新たな敵の存在を予感させる不穏さと、前回までの敵を華々しく粛清するという爽快感の両方が味わえて楽しかったです。
そろそろ新刊の情報が出るかな〜と思ったのですが音沙汰ないので、アニメ配信の9月に合わせる予定なのかな?
それでは、ザ・ジョジョランズ38話「ウサギと詐欺と猜疑心 その⑥」の感想です。
今回の話のポイント
露伴先生の動向
場面は杜王町の自宅に戻った露伴先生の視点から。
夜中にわざわざ編集を呼び出して、原稿の変更点を指示しています。
その編集というのが泉京香です。ドラマでのバディっぷりを見て以降、「露伴先生の編集といえば泉くんしかいないでしょー」ぐらいの認識になってはいますけど、こうして本編にまでしっかり出てくるとやっぱり驚きますね。
何せ、元はスピンオフで1話だけしか登場しないキャラクターですからね。それがドラマの活躍によってレギュラーキャラに昇格し、本編にまで逆輸入される。
荒木先生の作品史上最も出世したキャラなんじゃないでしょうか。
それで、原稿の変更点はセリフの表現を一部差し替えるというもの。当然、これがジョディオへの秘密のメッセージになっているということでしょう。
露伴先生は作品が全てみたいな人間ですから、暗号を送るために手を加えるとは意外。よほどジョディオのことを気に入ってるんですねー。
バックに先生がいるのは頼もしさが凄い。
ちなみにコマに映ったピンクダークの少年のセリフは「あの赤ちゃん ブッ飛んでるぜッ!!」というものでした。どんなシチュエーション!?
何気に本編で彼のセリフを聞くのは初めてですね。ドラマ用に荒木先生が書き下ろしたネームでは紳士的な口調でしたが、こういう喋り方もするんですね。
そして、要件が済んだらさっさと家の外に追い出しちゃう先生。
これもドラマのお約束を彷彿とさせます。影響力が凄い。
そもそも、9部に露伴が出てきたこと自体、ドラマで荒木先生が露伴の魅力に再注目したことが少なからずありそう…と勝手に思ってるので、9部のプロット自体にも影響を与えている気がする。
(8部連載時には「8部には露伴っぽい漫画家はいるかもしれないが、露伴は出さない」と明言されているので)
ギャングダンス 9部バージョン!
一方、捕らえた敵スタンド使い相手に拷問を開始するジョディオチーム。
前回の感想で「5部のギャングダンスに負けないような拷問を見せてほしい」と書いたのですが、まさに!ギャングダンスを9部の文脈でリメイクしたようなものが見れてテンション上がりました。
パコ・ジョディオ・ドラゴナの3人が音楽に合わせて踊りながら蹴りを入れるという、シンプルながらシュールな面白さがある拷問です。
使われているのはイタリアの歌謡曲『Funiculì funiculà(フニクリ・フニクラ)』。
「鬼のパンツはいいパンツ〜」をはじめとして様々な場所でオマージュされている楽曲なので、多くの人が聞き覚えあると思います。
この曲の出自を調べてみたのですが、元々はイタリア・ナポリの活火山「ヴェスヴィオ火山*1」に登るケーブルカーが開通した際、「火山が噴火したら危ない」と心配する人に対して「安全で素晴らしいからみんな乗ろう」とアピールするための宣伝ソングだったそうです。
そう考えると、もはや必然と言っていいほど最適な選曲ですよね。
火山というのは言わずもがな、9部のメインテーマですし、歌詞に頻繁に登場する「行こう!頂へ」というフレーズはジョディオたちの野望を表している。
ナポリの曲というのもナポリ(厳密にはネアポリス)のギャングたちをオマージュするという文脈にマッチしてますし、「火山の頂上まで登れる乗り物を開通させた」という人間の進歩と、「だから勇気を出して挑戦してみよう」と呼びかける行為は人間讃歌を感じさせます。(月に行ったアポロ11号のような)
すぐ影響されるので、この感想を書いてる間もずっと聴いてました。笑
黒幕の存在
そんな拷問の甲斐あって、色々と情報を聞き出すことに成功しました。
敵本体の名前は「ムンドラー」。インド西部の港町「Mundra」が元ネタで、今まで通り「敵の名前は港町」の法則に則ってました。
何でも彼は能力「ポイント・ブランク・シール」で死霊と会話することで知る必要のない情報まで手に入れてしまい、ついには終身刑を喰らう犯罪者にまで堕ちてしまったそう。
死人と干渉できるとは、ジョジョにおいて相当貴重な能力ですね。
今までの描写だとただ死霊を身代わりに話させてるように見えたんですが、本当に話せるのかな?
そんな彼がジョディオたちを襲った理由には黒幕の存在がありました。終身刑を取り消せる権力者に交渉を持ちかけられて、偵察要員として協力することになったそう。
この権力者について、メリル・メイはハウラーのヨットに乗り込んだ海兵隊の中に犯人がいると言います。
こう予想したのは多分、現時点でジョディオたちが溶岩を持っていることを知れるのが彼らしかいないからでしょう。
ただ、実際のところ兵隊に判決をひっくり返すような権力があるはずはないので、権力者に内通した者がいる、ぐらいのニュアンスだと受け取りました。
犯罪を揉み消せる、警視総監や大物政治家あたりがさらにバックにいるのだと思われます。
今回でまた確信が強まりましたが、9部における悪の位置付けは「正義の皮を被りながら悪事に手を染める者」なんですよね。
今までも警察、弁護士、消防士と正義を執行する存在ばかりが敵でした。
ムンドラーは珍しく囚人という悪側ですが、それを利用して悪事を働いたのは海兵隊という正義側の存在なわけで。
「悪人を悪たらしめているのは正義面した人間の異常さにある」的なメッセージが含まれてるのかも。
新たな敵の登場
一行はメリルの指示で地下駐車場へ行くことに。ウサギの足がしれっと回収されてるので、ドクター・ロバーツに治してもらうのでしょうか。
一人ポツンと残されたムンドラー。そんな彼の元に空から光る棒が二つ降りてきます。
結論から言うとこいつが次なる敵スタンドなんですが、歴代のスタンド紹介の中でも上位に入るくらい好きな演出でした。
降り立った二つの棒は融合すると、抽象化された人型に変形します。
そのままムンドラーの足に触れると、体に無数の穴を開けて切断!いとも簡単に殺害してしまいます。
そして、何事もなかったかのように元の二つの棒に戻り、宙へと飛び去っていくのです。
この登場シーン、最高に痺れました。
まず、限りなく抽象化された人型が迫ってくるという、可愛らしくも脳が理解を拒むようなクールなビジュアル。
そんな可愛い見た目に油断していると、人体を一瞬で真っ二つにするという規格外の力を繰り出してくる。
そして、もう始末した相手には興味がないとでも言うように空へと帰っていく。
この「圧倒的な暴力に理不尽に轢き潰される」一連の流れ。これが全くセリフもなく一瞬のうちに行われるわけですから、そりゃあ魅力を感じないわけにはいきません。
「可愛い見た目の意味不明な物体に理不尽に惨殺される」というシチュ自体ホラー映画の導入を彷彿とさせて、それも好きです。
2026/07/20追記:この敵がミーム化してました。
【解説】
jojo-stand.hatenablog.com
今回のエピソードはここまでですが、コミカルなセルフオマージュで華やかさを添えつつ、最後には次なる敵の恐ろしさをクールな描写で見せつける。最高に楽しめました。
疑問点
敵スタンドの能力
一番気になるのは、あの人型くんの能力です。
単に「無数の穴を開けて攻撃する」というシンプルなものの可能性も高いですが、あえて違うものを予想してみます。
注目すべきは、最初は二つの棒で、組み合わさって人型に変形したという点です。
また、本体はおそらく海兵隊で、無数の穴を開けるという攻撃は形兆兄貴のバッド・カンパニーを彷彿とさせる…
よって、あの人型は「海兵隊」をイメージして作られたもので、それによって銃弾のような攻撃を放つことができた。
能力の本質は「二つの棒を使って作った形と同じ能力を得る」というのはどうでしょう。
形で能力が変わるのはずるい気もしますが、一応ペーパー・ムーン・キングやチューブラー・ベルズという前例があるので…
でもさすがにちょっと無法すぎるので、自信はほとんどありません。
黒幕の正体
ジョディオたちを狙う黒幕が海兵隊にいるという情報が出ました。
ハウラーとはまた別の勢力っぽいので、ラスボスが誰になるのかますます分からなくなりますね。
期間の矛盾
メリル・メイが「あたしたちは(ハウラーのヨットを沈めてから)6ヶ月間監視されてきた」と言っていますが、ハウラーのヨットを沈めたのは9ヶ月前。ミスだと思われます。
解消された疑問
ウサギの足
前回ウサギの足がライオンに奪われていたので心配でしたが、今回でいつの間にか回収されていました。
その他気になったこと
ウサギ母
ウサギと母親の会話が描かれることを期待したのですが、何もありませんでした。
複雑な関係ゆえに親子水入らずなんて気分にはなれないでしょうから、そもそも会話自体なかったのかもしれません。
今後の展開
メリルが「地下駐車場に向かえ」と指示しているので、何らかの手回しをしてくれているのでしょう。
ただ、敵スタンドの攻撃力は9部の能力で対応するにはあまりにも規格外。
逃げながら本体を探すような防戦がメインになりそうです。
また、ジョディオたちは追跡防止のためスマホを捨てているので、『ピンクダークの少年』の最新話を読んで暗号を解くこともできない。
このままでは勝利から遠ざかっていくばかりなので、何か逆転の一手が地下駐車場に待っていることを期待したいです。
駐車場というロケーション的に「ボスから乗り物をもらう」という展開になるのは確実。
そうなると、ココ・ジャンボに比肩するような何かが手に入ることをどうしても想像してしまいますね。
関連
【次回】
【前回】
jojo-stand.hatenablog.com
【感想一覧】
jojo-stand.hatenablog.com