もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら ~「欲しいスタンド論争」に決着をつけるブログ~

もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら、どのスタンドを選ぶのが良いか、を多方面から考察するブログです。

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お知らせ

【最新記事はこちら!】

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【欲しいスタンドアンケート】を設置しました!

1分もあれば答えられるので、良ければご協力ください!↓

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【結果はこちらに掲載しています!】

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ジョジョランズ感想 更新中!】

jojo-stand.hatenablog.com

 

 

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はじめに

もしも、荒木飛呂彦先生原作の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する特殊能力「幽波紋(スタンド)」を現実世界でひとつだけ使えるとしたら何を選ぶべきか?

 

ジョジョ好きの方なら、一度は誰かとこんな「欲しいスタンド論争」を繰り広げた経験があるかと思います。

 

そして大抵の場合、決着はつかず有耶無耶のまま終わるのではないでしょうか。

 

このブログは、そんな永久不滅の論争を、作中に登場する全てのスタンドを様々な方面から考察することによって終結させようという理念で生まれました。

 

毎週金曜19:00に細々と更新していきます。

このスタンドは他にこんな使い方が出来そう」「このスタンドは評価が高すぎ・低すぎ」などがあればお気軽にコメント欄に書いてもらえると嬉しいです。

 

【スタンド一覧】

jojo-stand.hatenablog.com

ルール

  • 使えるようになるスタンドは当然ひとつだけ。

 

  • 基本的には、日常生活で、犯罪にならない範囲でどれほど活用できるかが評価の基準。ただし、リスクが小さくリターンが大きいなら悪用の線もしっかり評価する。

 

 

  • 能力の考察においては、荒木飛呂彦先生が直接携わっている「漫画版ジョジョ」における描写に最も重きを置く。作者が違う外伝作品や、アニメ・ゲームにおける描写は参考程度にとどめる。

考察の流れ

  • 能力値

破壊力」「スピード」「射程距離」「持続力」「精密動作性」「成長性」の六つから構成される能力値を、パラメーターグラフにして貼付する。

 

 

  • 能力

対象のスタンド固有の能力を劇中描写から考察し、解説する。

 

 

  • 5つの評価基準

スタンド能力を「有用性」「安全性」「悪用性」「自衛力」「操作性」の5つの観点から0~5個の範囲で評価していく。それぞれの評価基準は以下の通り。

 

 

  • 有用性:日常生活でどの程度有効に活用できるか。犯罪にならない範囲の活用法を考える。が多いほど有用

  • 安全性:使用者や周囲に、意図せず危険が及ぶことがないか。が多いほど安全

  • 悪用性:法律を無視して悪用しようとした場合にどれほど有用か。が多いほど悪用向き

  • 自衛力:スタンド使いスタンド使いにひかれ合う」ので、もしも他のスタンド使いに襲われた場合に、対処できるか。が多いほど自衛しやすい

  • 操作性:使いこなすのに本体の技量がどれほど必要とされるか。技術的な部分のみ考える。「精神力が強くないと扱えない」というのは言い出すときりがないので無視。が多いほど簡単に扱える

 

 

  • 総合評価

上記の5つの評価基準をもとに、そのスタンド能力の「欲しさ」をS〜E+Fの記号で評価する

 

各段階の評価はざっくりとこんな感じ↓

 

S

様々な場面で活用でき、持っているだけで常人より遥かに豊かな生活を送れる事が明らかで、自衛力も申し分ないもの。

 

A

日常でのお役立ち度ならSランク並だが、自衛力がイマイチだったりフルに活用できるかが怪しかったりで減点されたもの。

 

B

Cランクと違い日用品で代用できる域を超えた能力を備えてはいるが、SAランクと比べると見劣りするレベルのもの。

 

C

自衛力は十分で、日常で活かせそうな特殊能力も備えてはいるものの、その活用法が日用品で代用できる範囲を出ないもの。

 

D

日常では特に役立てられそうにないが自衛だけは一応こなせるもの。

または、日常で役立ちそうだが自衛力が低いもの。

 

E

使い道が限定的すぎる上に自衛力が皆無なもの。

または扱いが危険すぎるもの。

 

F

能力の詳細について一切の情報がなく、判定が不可能なもの。

関連

【このブログにおけるスタンドの分類方法】

jojo-stand.hatenablog.com

 

【『人気』カテゴリー】

個人的に、「欲しいスタンド」としてよく挙げられている気がするスタンドをまとめました。

jojo-stand.hatenablog.com

 

「音石明」の「レッド・ホット・チリ・ペッパー」

能力値

能力

  • 電気を使ってパワーやスピードを強化できる。電力次第で光速なみの速度で移動することも可能。

 

  • 電力が持つ限り本体からどこまでも離れて活動できる。

 

  • 電気らしい特性を持つので、電線を伝って移動できたり、塩水につかると体がバラバラになったりする。

評価

有用性:★★★★★

 

このスタンドは電力が持つ限り本体からどこまでも離れられるので、電気がある場所の近くなら実質射程距離は無限になります。偵察能力として非常に優秀です。

また、電線を通って高速移動することができるので、物を運ぶ能力としても使えます。作中でコンセントに引きずり込まれた形兆は電気と一体化し、最終的に黒焦げになっていましたが、一方で音石はこの能力を使って窃盗を働いていたため、加減次第では電気を通さずに運べそうです。もし人も運搬することができるなら、高速移動能力として日常で役立ってくれることでしょう。

 

安全性:★★☆☆☆

 

電力がある間は自由に活動できますが、逆に電力を使い果たすと、パワーが急激に弱まり、最終的には死に至ってしまいます。電力をすぐに補充できる環境に身を置くことが大事です。

また、塩水のような電気をよく通す液体に触れると体がバラバラになってしまいます。この場合、本体にダメージがいくことはありませんが、作中描写から見るに、一度ボロボロになると二度と元には戻らないようです。海など、液体のある場所にはなるべく近づかないようにしましょう。

 

悪用性:★★★★★

 

電気のある場所ならどこにでも行けるため、はるか遠い場所の盗聴を行ったり、物を盗んだりすることが容易に行えます。音石はこの能力を使ってなんと5億円分の金品を盗んでいました。

使った電気代を人の家のメーターにつけるなんて嫌がらせもできます。

 

自衛力:★★★★★

 

活動に電気が必要というハンデはありますが、性能は完全無欠。電力さえあれば、スタープラチナを上回るパワー(仗助談)*1、光速に等しいスピード(康一談)、無限の射程を発揮することができます。

 

操作性:★★☆☆☆

 

電気がないと活動できないのが枷になります。また、塩水に浸かってしまうとスタンドがボロボロになり、二度と元の姿には戻れなくなることにも注意。

総評

電気からエネルギーを得ることで実質無限の射程距離を実現しており、遠隔操作型スタンドにありがちな、力が弱いという弱点すらも克服しています。偵察に窃盗、何でもござれ。「遠隔操作型スタンドが欲しい」人なら、ぜひとも選ぶべきスタンドです。

というわけで、レッド・ホット・チリ・ペッパーの総評は、Sです。

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第4部 ダイヤモンドは砕けないのスタンド一覧

 

*1:小指一本で腕を落とせるほど

「J・ガイル」の「ハングドマン(吊られた男)」

能力値

能力

  • のスタンド。反射物から反射物へ高速移動できる。

 

  • 物に映った状態で同じものに映った生物に攻撃すると、現実の生物にも反映される。無生物への干渉は反映されない。*1

評価

有用性:★★☆☆☆

 

反射物さえあればかなり遠くまで行けるため、偵察能力として使えます。

また、J・ガイルは雨がドーム状によけるという表現がありましたから、この能力があれば雨に濡れずに済みそうです。*2

しかし、基本的に物に映ることでしか存在できないという性質上、大抵のスタンドと違い物を運べないのが不便。

 

安全性:★★★★★

 

日常で使う上では、これといった危険は考えられません。

 

悪用性:★★★☆☆

 

光のスタンドなので、光が通り、反射物がある場所ならどこにでも入っていけそうです。反射面でしか観測できない関係上スタンド使いからも補足されにくいのもあって、他の遠隔操作型スタンドよりも秘密裏に潜入することに長けています。

 

自衛力:★★★★★

 

物に映っている間は一方的に攻撃できるため、非常に強力です。原作のように堂々と出てくるのではなく、小さな反射物を使ってこっそり攻撃すれば、相手は何が起こっているのか分からないので簡単に倒せます。

たとえ能力がバレたとしても、このスタンドは光なみの速さで動けるため、攻撃できるスタンドはわずかです。

 

操作性:★★★★★

 

反射物がないと存在できないという性質はありますが、鏡、ガラス、水、金属、目など映るものは身の回りにたくさんありますから、この点で苦労は無さそうです。

総評

射程が非常に長いため偵察能力としては優秀です。自衛力が極めて高いのもグッド。しかし、特性上物を持って運ぶことができないので、他のスタンドと比べて汎用性に欠ける部分もあります。総評としては、可もなく不可もないといったところ。

というわけで、ハングドマンの総評は、Cです。

関連

第3部 スターダストクルセイダースのスタンド一覧

 

【鏡の中】

jojo-stand.hatenablog.com

 

*1:鏡の中で扉を開けても現実では閉じたままだった

*2:おそらく、雨粒間を反射して雨をよけているのだと思われる

ジョジョで誤解されがちなことをまとめてみた

 

ジョジョの中には、一般的に認識されていることと事実が異なることがあります。今回は、そんな誤解されがちなことをまとめてみました。

 

第1部

ジョナサンの名前の元ネタはファミレス

ジョナサン・ジョースターの名前は荒木先生が打ち合わせをしたファミレスの名前が由来」という誤解。確かに、荒木先生がこのお話をされているインタビューも存在するんですが、のちのインタビューで否定されています

――ジョナサン・ジョースターの名前は「ファミレスのジョナサンで打ち合わせをしたからジョナサン・ジョースター」なんですよね。

荒木 え、ジョナサン?(笑)

椛島 名前を「ジョジョ」にしたかったんでしょ?

荒木 頭文字がJ・Jとか、S・Sとか、韻を踏みたかったんですよ。スティーブン・スピルバーグみたいに。でも『ジョジョ』の打ち合わせを最初にやったファミレスはデニーズですよ。ジョナサンに行くようになったのは、そのあとなんで。

――いやいや、先生どこかで言ってますよ(笑)。「ジョナサンだったから」って。

荒木 ああ、それは「そーゆーことにしておくか」みたいな感じ?(笑)

椛島 話は面白い方がいいよね(笑)。荒木さんは伝説好きだよね。事実よりも面白いほうがいいだろうっていう。それが根底にあるんだよね。

荒木 伝説はホラーの条件ですから。

――じゃあ「ジョナサン」という名前は...。

荒木 J・Jって韻を踏んだっていう、ただそれだけ。特にどこかから引っ張ってきたわけではないです。

 

「JOJOVELLER」「荒木飛呂彦×椛島良介」より

第3部

ザ・ワールドは最初全てのスタンドが使える能力だった

DIOが最初ハーミットパープルのようなスタンドを使って念写していたことや、スタンド名が「世界21」であることから広まった噂で、「ザ・ワールドは最初全てのスタンドが使える能力という設定だった」というもの。

実際は、「スタープラチナの超スピードに時を止めて対抗する」と、初期に対比してデザインされているため、最初から時間を止める能力でした。ハーミットパープルのようなスタンドは「ジョナサンの体のスタンド」と説明されています。

色味などが星の白金(スタープラチナ)と対になるように、初期にボスとしてデザインしたスタンドですね。星の白金の超スピードに対して、時を止めて対抗してくるという、同質の能力者対決です。

 

「JOJOVELLER」より 荒木先生のザ・ワールドへのコメント

 

 

第4部

仗助を助けた不良は未来の仗助

「仗助の回想で登場する車を押してくれた青年が、実は未来の仗助本人」という誤解。見た目が似ていることや第3の爆弾が時間を戻すことから、「仗助が昔に戻って過去の自分を助けるという展開が予定されていたのではないか」という噂が広がりました。

実際は「伏線ではなく仗助の思い出」と説明されています。

北久保「4部ってかなり長い構成なんでしょ?」

荒 木「いや、全然構成とかしていないんですけど」

北久保「ちらっとフリが有ったじゃないですか。仗助が過去の自分に会うとか」

荒 木「ああ、あれは関係ないです」

北久保「関係ない!?」

荒 木「あれはただの仗助の思い出ですよ」

 

3部OVA 荒木先生と北久保監督の対談より

 

jojo-stand.hatenablog.com

シンデレラは吉良が顔を変えるシナリオのために作られた

追い詰められた吉良は、辻綾のスタンド、シンデレラを使って顔を変えて逃走します。このシンデレラが初登場したエピソードが、原作では「重ちー死亡(吉良初登場)」と「シアーハートアタック戦(吉良が川尻に成り代わる)」に挟まれていることから、「シンデレラは吉良が顔を変えるために作られたんだな」という認識をされている方も多いかと思います。

しかし実際は、吉良がシンデレラで顔を変えるシナリオは直前で考えられたものです。

シンデレラを利用して入れ替わるというのは、全然考えてなかったんですよ。

仗助たちに追い詰められて、どうやって逃げ延びさせようかと必死に考えて「あ、そういえば前回出したシンデレラが使えるじゃないか!」って思いついた。

基本的にはいつも、週間単位で考えていますから、その先のことはいつも考えていません。

 

集英社ジャンプリミックス ジョジョの奇妙な冒険 PARTⅣ ダイヤモンドは砕けない VOL.27 吉良吉影の新しい事情編③」より 荒木先生のインタビュー

 

 

第5部

フーゴが途中退場させられた理由は強すぎたから

チームメンバーの一人フーゴは途中で退場となりますが、その理由が「彼のスタンド、パープル・ヘイズが強すぎたから」という誤解。実際の理由は、「フーゴが途中で裏切る展開を構想していたが、あまりに暗い展開になるので描けなかったから」というものです。ただ、のちに敵になるからこそスタンドがあそこまで強かったと思うので、「強すぎて退場させられた」はあながち間違いではなさそうです。

この第5部『黄金の風』では、どうしてもカットせざるを得ない部分があって――というより、どうしても描く事ができないエピソードがありました。

それは、ミスタ、ナランチャフーゴアバッキオの4人の中の誰かが、実はボスのスパイで、ジョルノとブチャラティを「裏切る」という設定でした。感覚の中ではたぶん、フーゴが「裏切り者」なんだろうなと思って描こうとしたら、これがどーしても描く事が出来ませんでした。

あの時の暗い気分がますます暗い話になっていきそうだし、実際「嫌ー」な気持ちがぼくの心の中に芽ばえてきて、ブチャラティとかの気持ちを考えると、本当に気の毒で、気の毒で。信頼していた仲間が裏切るなんて、ぼくの概念にはなくて、生理的に嫌な気分になりました。「作者としての勇気がたりないぞー」と叱られればそれまでなのですが、本当、絶対描くのは嫌だ、と思ってしまったのです。しかもケジメをつけるために、たぶんジョルノがフーゴの処刑に行くようなエピソードになったでしょうね。絶対に少年少女読者をヤバイ気分にさせると思い込んでしまったのです。

 

そういう理由で、ヴェネツィア大運河のサン・ジョルジョ・マッジョーレの船着き場での、別れのシーンです。フーゴに消えてもらったのです。

 

文庫版「ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」より 荒木先生のインタビュー

 

 

 

「ジョンガリ・A」の「マンハッタン・トランスファー」

能力値

能力

  • このスタンドは周囲の空気の流れを感じ取って移動するこのスタンドが感じた気流は本体に情報として転送され、動くものの位置や外観を把握できる。ただし、空気以外の気体があると正確に情報を読み取れなくなる。

 

  • 照準を定めることができ、このスタンドが弾丸を受けると、その軌道を照準の方向に変える

評価

有用性:★☆☆☆☆

 

作中でジョンガリ・Aはこのスタンドで気流を読み取って、動くものの位置や形を分析していましたが、これは本体が彼だからこそ。普通の人なら、気流を感じるだけでは何も分からないでしょう。遠隔操作型スタンドの中には視界を共有する機能を持つものがたくさんあるので、遠くを偵察したいならそちらを選ぶべきです。

軌道を変える能力は狩猟の趣味がある人には良いかもしれません。

 

安全性:★★★☆☆

 

微弱な気流に反応して舞い動くほど軽いスタンドなので、突風が吹いたらどこかに飛ばされてしまう可能性があります。一応能動的に動かす描写はあるので、飛ばされたらそれっきりということはないのでしょうが、風が強い場所では使わない方が良さそうです。

 

悪用性:☆☆☆☆☆

 

このスタンドを悪事に使うのは難しいです。風に乗って漂うだけなので、他の遠隔操作型スタンドのように、物を盗ませるとかもできません。

 

自衛力:☆☆☆☆☆

 

スタンド自体の格闘性能はゼロであり、弾丸の中継地点としての役割しかありません。

 

操作性:☆☆☆☆☆

 

このスタンドの能力は二つ。「周囲の空気の流れを情報として本体に送る」というものと、「受けた弾丸の軌道を変える」というものです。

前者は、本体に送られるのは「こんな気流があるよ」という情報だけなので、それを分析するのは本体の技術です。一見どれくらいの難易度か分からないので、参考までにジョンガリ・Aの分析力を紹介しましょう。彼は、「トランプのカードがどこに飛ばされたか」が気流を読むだけで分かります。現実でこのような技術を得るのは不可能でしょうから、このスタンドで原作のように標的の位置や外観を分析することはできません。

後者も、銃規制が厳しい日本では実用が難しいです。

総評

操作性の欄で書いた通りです。ジョンガリ・Aのような人並外れた技術の取得は不可能なのと、日本の銃規制が厳しいのが相まって、このスタンドを手に入れたところでほとんど活用できません。

というわけで、マンハッタン・トランスファーの総評は、Eです。

関連

第6部 ストーンオーシャンのスタンド一覧

 

The JOJOLands(ジョジョランズ) 20話 「グローリー・デイズ その②」 感想

 

二か月ぶりのジョジョ最新話。長かった...でも休載中には、何と「荒木飛呂彦の漫画術」の10年越しの第二弾「荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方」が発刊されるという嬉しい出来事がありました。もう買ったので読んでレビューしようかなと思ってます。

 

 

ジョジョランズ5巻も12月18日発売予定です↓

 

 

さらにさらに、今月のウルジャンには他にもOH!GOODNEWSがたくさんありました。詳しくは「その他気になったこと」の欄で。

それでは、ジョジョランズ20話「グローリー・デイズ その②」の感想です。

 

今回の話のポイント

VS.ボビー&ルルちゃん決着!

先月からバグス・グルーヴとボビー・ジーンの攻撃で窮地に立たされていたジョディオ達。肺水腫に見舞われながらトイレの個室に隠れているジョディオに、ボビーは冷徹に銃撃を続けます。

そしてついに隠れているトイレを開けられ、銃口を向けられてしまいます。ノーヴェンバー・レインで攻撃しようにも、すでに射程を見切られており届きません。

絶体絶命のピンチの中、ジョディオがとった行動はポケットに手を入れるというもの。それを見たボビーは最初は怪しむものの、ルルちゃんから聞いた「溶岩」のことを思い出し、それをポケットの中に持っているのだと思い込みます。

仕事を冷淡にこなす性格とはいえ、「ハウラー社の全ての財産を奪える」という溶岩の魅力に抗えなかったボビー。油断して「取引のチャンスをやろう」と言ってジョディオに近づいてしまいます。

しかしそれこそがジョディオの狙い。天井に飛び散っていた水滴がボビーに落ち、頭から顎にかけて貫通。ボビーは絶命しました。そして、それを見たルルちゃんはショックで能力を解除してしまう。こうして、ジョディオとウサギは肺水腫から解放。完全勝利を収めることとなったのでした。

さらに、ジョディオはルルちゃんに「君はオレたちと一緒に来て貰う 議論も口答えも許さない」と冷酷に同行を要求します。

 

ボビー、かっこいいキャラだったのであっけない最期だったのが惜しかったですが、ジョディオの勝ち方は見事でした。ポケットに手を入れることで本当は持ってない溶岩を持っているように見せかけ、隙を作るとは。

また、ノーヴェンバー・レインの恐ろしさも伝わってきましたね。今までは雨粒が当たっても体がへこむぐらいで済んでいたのに、今回は頭を貫通していました。今までは加減していただけで、本気で攻撃するととんでもない威力が出るみたいです。

そして、ウサギは7カ月ぶりに肺水腫から解放!復活して早々「オレ、ピンクちゃんとついにベッドイン!?」とか言ってるのがさすが笑。死んじゃうんじゃないかとヒヤヒヤしてただけに、元気でアホな姿にホッとしました。

 

 

次なる目標

一方その頃、エレベーターで銃撃されたパコもICUで目を覚ましました。軽傷で済んだようです。服を着ようとロッカーを開けると、そこには彼の衣服の他に黒いカバンが。これは銀行員のマック(ハウラーから金銭の取り立てを行ってた人)が落としたものじゃないですか!なぜここに?と思ったら、どうやらパコの治療室の隣がマックで、荷物が取り違えられたらしい。これも溶岩の引き付ける力ですね。

というかマック、脳天に銃弾が命中してたのに生きてたのか...とか思っていると、なんとソフィ(登記所のお姉さん)まで生きてるじゃありませんか。お父さんのホワイト議員と元気に走り回ってます。

ホワイト議員といえば、ジョディオ達が勝手にハウラーの土地を差し押さえたせいで立場が危うくなりそうな状況のはずなんですが、なんと彼はそれを後悔するどころか「娘への毒物テロの疑惑は捨てきれない、ハウラーはたたきのめす」と闘志に燃えています。彼は悪人の多い9部の中で数少ない正義の人ですね。かっこいい。もしかしたら早人やルーシーのような一般人枠としてこれから活躍していくのかも...楽しみです!

 

そして、ジョディオはカバンの中身を確認。そこには「ハウラーがフアラライ山北斜面の土地を担保に380億ドルの金を借りている」ことを証明する書類が。つまり、ハウラーの土地が差し押さえられる前に、銀行が金を回収しようとしていたということ。それを知ったジョディオは「ハウラーが悪党だと知っててカネを貸してる銀行はもっと悪党だ」と言い放ち、自分が代わりにハウラーから金を取り立てて、ハウラーと銀行の両方を潰す決意を固めます。その計画の実行のため、まずはメリル・メイの指示を仰ぐ必要がある。チームはマックを連れて彼女の元に行くことを決めました。

 

ここで興味深いのは、ジョディオの価値観が改めて示されたことです。彼は自分が純粋な悪であることもあって、「悪党そのもの」よりも「悪をのさばらせる者・利用する者」などの中途半端な悪を敵視している面があります。2話では、正義であるはずの警官が悪事を働くことに怒りを露にしていましたし、ドラゴナがいじめられた時は、主犯だけでなく傍観してた人もまとめて殺そうとしていましたね。

疑問点

グローリー・デイズの能力

結局、グローリー・デイズの詳細はよく分からないままボビーはやられてしまいました。単行本の解説を待つこととします。

ルルちゃんが仲間入り?

ジョディオは泣き崩れるルルちゃんに「オレたちと一緒に来て貰う」と命令していました。単純に受け取ると彼女を起点にハウラーの実態を探ろうとしているだけに思えます。しかし、9部が5部と世界観が似ていることを考えると、もう一人ぐらい仲間になる可能性も捨てきれません。それこそ、ジョディオ(ジョルノ)、ドラゴナ(ミスタ)、パコ(アバッキオ)、ウサギ(ナランチャ)でルルちゃんがフーゴと。能力も体に異常をきたすもので似てますしね。

 

 

解消された疑問

特になし

その他気になったこと

ジョディオがフィギュア化!!

何と、ジョディオが早くも超像可動でフィギュア化します!来月のウルジャンか「JOJO magazine 2024 WINTER」を紙で購入した人、また「ゼブラック」でウルジャンの定期購読サービスに登録している人限定でコードが手に入り、注文できるようです。14300円と普通の超像可動の倍の値段ですが、ジョジョランズ好きには見逃せないグッズです!

JOJOmagazineの表紙は暗殺チーム

裏表紙にて、JOJOmagazineの表紙が公開されていました。表紙を飾るのは特集内容にちなんだ暗殺チーム!荒木先生によって暗殺チームが描かれたのは本当に久しぶり。リゾット、ギアッチョ、プロシュート兄貴、ペッシが2000年発売の「JOJO A-GO!GO!」で描かれ、リゾットとプロシュート兄貴は2020年開催の「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」長崎のキービジュアルで再び描かれていますが、その他メンバーは5部本編(1999年完結)以来描かれていないので、25年以上ぶりになります。しっかりソルベとジェラートも描かれてるのが良いですね。

もっと言うと、荒木先生によってメンバー全員が同時に描かれたのは今回が初です。暗チ好きにとっては記念日になって良いほどすごいことです!

今後の展開

ついにボビー&ルルちゃんとの決着がつき、一行は次なる目標へと歩みを進めます。それは銀行の代わりにハウラーから380億ドルを取り立てるというもの。まずはメリルの知恵を借りる必要がありますから、次回は作戦会議回になるでしょう。ルルちゃんにマックが加わって、7人の大所帯になったチームですが、彼女なら上手くまとめあげられるはずです。

また、金を取り立てたところで土地が州に差し押さえられる事実は変わりませんから、取り立てた後の展開にも注目ですね。「チャーミング・マンの弟マウカがどうなったのか」という真実にはたどりつくためには、土地の権利書を手に入れる必要があります。ハウラーからの攻撃もさらに激しさを増すことでしょうから、今後も緊張感のある展開が続きそうです。

そして今回改めて、溶岩が生半可な覚悟では使えない代物だと分かりました。ジョディオが危険を顧みず、チャンスをものにしようと動く姿はまさしく主人公でかっこいい。ウサギの復活もあって、このチームをもっと見たいという気持ちになりました。

 

 

関連

【次回】

【前回】

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【感想一覧】

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「ミラグロマン」

本体:武器商人、ホームレス、苦竹財平、東方常秀

能力値

不明

能力

  • ミラグロマンの通貨は使うと必ず増えて戻ってくる

 

  • 本物の通貨だが、記番号の末尾が全て13(日本円の場合は13R)になっている。

 

  • ミラグロマンの呪いを移すには、誰かに通貨を破壊させるしかない。

評価

有用性:★★☆☆☆

 

ミラグロマンの通貨は使うたびに増えるやら、存在を知る者に渡そうとすると恨みを買うやら、何かにつけて厄介です。それでも何とか有効活用する方法を考えてみましょう。

 

色々と考えましたが、結局は単純に預金しておくのが一番です。

作中で苦竹財平がミラグロマンの紙幣を銀行に預けている描写があります。厄介な性質だらけのミラグロマンですが、預金すること自体に特に落とし穴は無いものと考えられます。

これで、使う分だけ引き出して夜に増えた分を預けるようにすれば何とか生活できそうです。ただし、高い買い物をすると増える金額が多くなり怪しまれるので、いずれにせよ貧しい暮らしを送ることになります。

 

お金が増えるのが問題になるのは体積のある現金を使うからなので、電子マネーを使えば解決できそうに思えます。作中で常秀は舟券をネット購入していたので不可能ではないようです。

しかし、苦竹電子マネーを使うようなことはしていませんでした。常秀の場合は「バクチに勝つことでお金が増える」という形を取ったので購入できただけで、電子マネーで普通の物を買おうとすると、ミラグロマンのお金を減らさない力によって、エラーで決済が行えないといったトラブルが起きるのかもしれません。

 

このように、普通に使う分には有効活用は困難です。倹約生活を強いられるどころか、金は増える一方なのに生活は貧困そのものという生き地獄を味わうことになります。

それでも考え続けた結果、妙案を思いつきました。ミラグロマンの能力下にある状態で事業を行うというものです。使うと必ず増える関係上、何をしても成功してとんとん拍子で成り上がれるかもしれません。そして、揺るぎない立場を確立したあとに能力を手放す。こうすれば、呪いとは関係なく、しっかりとした富と名声を得られます。

そう上手くいくとは限りませんが、一筋縄ではいかないミラグロマンを欺ける唯一の方法に思えます。

 

 

今度は、もうミラグロマン生活にうんざりして辞めたいと思った時、どうやって他人に押し付けるかを考えます。

 

他人に押し付けるには誰かに破壊させる必要がありますが、世の中にはミラグロマンの存在を知る者も多く、下手に押し付けようとすれば報復される危険があります。記番号の末尾が13という見分け方もあるので、落として拾わせるのも困難です。

 

そんな困難を乗り越えて呪いを移せそうな方法を2つ思いつきました。

 

ひとつは、騙して破壊させる方法。常秀が苦竹に呪いを押し付け返した際はこの手を使いました。

やり方はいくらでもあります。封を切ると紙幣が破れるような仕掛けにした手紙を投函しておいたり、紙幣を丸めてタバコの形にして火をつけさせたり。

一度呪いを移してしまえば後はこちらがペースを握れます。上手く逃げ切りましょう。

 

もうひとつは、硬貨に変えるという方法。自販機の描写から、ミラグロマンは硬貨の形態もあることが分かっています。番号が13になりそうな年代表記も、見る限り「平成十六年」「平成二十三年」「平成二十四年」とバラけています。こうなれば本物の硬貨と見分けがつきませんから、人に盗ませるのは簡単です。落として誰かに拾わせて、ミラグロマンを知らない人が破壊してくれるのを待ちましょう。

 

安全性:★★☆☆☆

 

この能力により生じる危険は、単純に増えすぎた紙幣に押しつぶされるという物理的なものと、渡そうとした相手からの報復の2つ。

前者については、有用性の欄で書いたように、増殖を最低限に抑えて毎日銀行に預けるようにすれば一応解決できます。しかし、後者の方は問題です。使うたびにリスクが付きまとうので、むやみに使えません。

 

悪用性:★★☆☆☆

 

この通貨は使うと増える仕様上、賭博をやれば確実に当選するので、ギャンブルで大勝ちして賭博場を潰すことも理論上は可能です。しかし、実際はそのような大勝ちをすれば、すぐに目を付けられて酷い目に遭わされるでしょう。

結局、他人に押し付けるのが一番の悪用法です。

 

自衛力:☆☆☆☆☆

 

スタンド自体に自衛力はありません。出来ることといえば増えた金でボディガードなどの自衛設備を雇うぐらい。しかし、皮肉にもこうした自衛のための金を使うにもリスクが伴うため、安心を得ることは決して出来ません。

 

操作性:☆☆☆☆☆

 

ここまでで何度も述べたように、厄介な性質だらけで操作は非常に困難。そもそも、ひとり歩きしている能力なので操作できなくて当たり前です。

総評

ミラグロマンという能力。一見億万長者の暮らしが楽しめそうな代物で、上手く活用する方法はないかと模索したくなりますが、結局のところ厄介な呪物以外の何物でもありません。有用性の欄で挙げた、「金が必ず増える」補正を利用して成り上がるというものが唯一の活用法ですが、ミラグロマンのこと、どんな障害が待ち受けているか予想できたものではありません。

 

使うたびに金が増える――甘美な響きですが、実際は生き地獄です。手に入れたとしてもすぐに限界がきて誰かに押し付けたくなることでしょう。このスタンドはもらわない方が賢明です。

というわけで、ミラグロマンの総評は、Eです。

関連

第8部 ジョジョリオンのスタンド一覧

 

「サーレー」の「クラフト・ワーク」

能力値

能力

  • 触れた物体の位置を固定できる。空間上に固定するか、他の物に固定するかを選べる。ある程度離れると固定は解除される。

 

  • 固定した物体を叩くと少しずつ力を蓄積することができる。固定を解除すると力が解放されて、物体が勢いよく放出される。

評価

有用性:★★☆☆☆

 

空間に物体を何個でも固定できるので、あらゆる場所に物を置けるようになります。これで物の置き場所に困ることはありません。ただし、射程外に出ると能力が解除されてしまうので、固定したままその場を離れないようにしましょう。

また、自分に物を固定しておけば、荷物を手に持たずに運べます。

 

安全性:★★★☆☆

 

固定された物体には加えた力が蓄積されており、能力解除時にその力が一気に解放されます。作中では弾頭を指で26回*1叩いただけで銃に匹敵するエネルギーで飛んでいき、ミスタの腹を貫通しました。

指で軽く叩いただけでこの威力となると、本気で殴った力を何百回も蓄積したらシャレにならない威力が出そうです。固定した物体への干渉は慎重に行いましょう。

 

悪用性:★★☆☆☆

 

作中ではドライバーをハンドルとアクセルに固定して、強制的に走らせ続けていました。このように、固定能力を上手く使えば他人に行為を強制できます。

 

自衛力:★★★★★

 

どんな物体でも自分の体に触れた瞬間に固定できるので、殴られようがナイフを突き立てられようが無効化して逆に相手を捕らえることができます。作中で弾丸を頭にくらった際は少しめりこんでいたあたり完全に無効化とはいかないものの、防御面はかなり優秀です。

 

また、破壊力とスピードがAなので単純な格闘性能も高いものと思われます。サーレー曰く「気ィ張って面と向かえば拳銃の弾丸を簡単に叩き落せる」ぐらいの性能はある模様。

「恥知らずのパープルヘイズ」では心臓を固定して即死させるなんて技も見せました。

 

操作性:★★★★☆

 

安全性の欄で書いた通り、固定した物体に力を加えすぎると解除した時に危険です。

総評

この能力は物体をどこにでも固定できるので、あらゆる場所を棚のように利用できます。一見便利そうですが、そもそも他のスタンドでも人型であれば物を持たせることができるので、わざわざこのスタンドを選ぶべきかと言われると微妙なところ。また、能力の及ぶ射程が意外に短く、少し離れると空間に固定した物が全て落下してしまうので、置き場所を作る能力としても使い勝手が微妙です。

しかし、一応日常で使える能力な上、自衛力が非常に高いので、評価は中間としておきます。

というわけで、クラフト・ワークの総評は、Cです。

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第5部 黄金の風のスタンド一覧

 

*1:漫画で「トン」の擬音の数をカウント