もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら ~「欲しいスタンド論争」に決着をつけるブログ~

もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら、どのスタンドを選ぶのが良いか、を多方面から考察するブログです。

「岸辺露伴」の「ヘブンズ・ドアー」

能力値

f:id:Lucky-mumu:20230106232752p:image

基本能力

  • 人間を本にして記憶を読むことができる。

 

  • これは自分自身にも使える。後に、生物ですらない食べ物にも使えるようになった。食べ物の場合、賞味期限や含有成分が可視化される。

 

  • 本にした対象に文字を書き込むと、その文章がその対象の性質に反映される。「岸辺露伴を攻撃できない」「うしろをふり向けない」などの単純な命令から、「自分は畳の縁が見えなくなる」「これからの人生で2度とじゃんけんに勝てない」などの制限や、「イタリア語が喋れる」というスペックの変更もできる。「時速70kmで自分の体は背後に吹っ飛ぶ!」という物理的に不可能なことでも実現する。

 

  • ページを破いてもその分の記憶がなくなるわけではなく、体重が減るだけ。

評価

有用性:★★★★★

 

この能力で他者を本にすれば、真の気持ちを知ることができます。

本来他者の気持ちは決して分からないものなので、これだけで唯一無二の価値があります。ちなみに動物にも有効なので、動物好きな人は特にお勧め。

 

これに、さらに文字を書き込む能力が加わります。

第5部では、広瀬康一にこの能力を使ってイタリア語を喋れるようにしていました。文字通り、『指先一つ』でスペックをいじれてしまうのです。

恐らくものの数秒で習得したであろうイタリア語ですが、ジョルノが(セールストークも入っていそうとはいえ)「言葉すごくペラペラですね いやすごいなあ…イタリア住んでた事あるとか?」と評していたレベルで、精度もかなりのもの。

 

岸辺露伴に攻撃できない」と書かれた康一は、物理的攻撃はおろか、露伴にとって不都合な行動を何一つ出来なくなっていました。

この「禁止する」という能力、なかなかに使えます。

 

例えば、「酒/タバコ/薬物/ギャンブルをしない」と書きこめば中毒を克服させられますし、「悪事をしない」と書けばどんな悪人だろうと真人間に生まれ変わらせられます。

 

書き込みの『何でもアリ』さはこれだけにとどまらず、「時速70kmで体が背後に吹っ飛ぶ」「これからの人生で2度とじゃんけんに勝てない」など、原理がよく分からない命令も難なく行えます。

後者は未遂ではありますが、「これからの人生」全てに適用されるという異常な持続力、そして「じゃんけんに勝てない」という、人の運までも文字で左右してしまうヘブンズ・ドアーのチートっぷりをよく表しています。

 

一応「岸部露伴は動かない」内のエピソード「D・N・A」にて、病気を治すようなことはできないと発覚しましたが、これは数少ない例外*1で、大抵のことはできると考えて良いでしょう。

 

ちなみに、勘違いされがちですがヘブンズ・ドアーは自分にも使うことができます

©「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」より

岸辺露伴 ルーヴルへ行く」、「岸辺露伴は動かない ホットサマー・マーサ」では自分に能力を使うことで窮地を脱しています。

本編でも、露伴が杉本玲美と自身の関係を知った際、「ぼくの『スタンド』『ヘブンズ・ドアー』…自分の『遠い記憶』と…『「運命」は読めない』…か」と発言しているため、自分に使って記憶を読んだことがあると考えるのが自然です。

手に入れたら、とりあえず自分の体に「IQ200」「容姿端麗モテモテ」などの欲張り設定をもりもり書きましょう。

 

あまりに出来ることの幅が広いので、これ一つで複数の能力を手に入れたようなもの。貰って損したと感じるようなことはまず無いでしょう。

 

危険性:☆☆☆☆☆

 

能力自体に危険は全くありません。

露伴のように好奇心が旺盛な人だと、危険に巻き込まれやすくはなるかもしれませんが…

 

悪用性:★★★★★

 

他人のプライバシーを覗き見したり、自分の命令を何でも聞くように洗脳したりとやりたい放題できます。

むしろ悪用じゃない使い道を考えるのが難しいくらいです。露伴も初登場時はこの能力で「気に入った高校生を操って軟禁する」というなかなかの悪事を行っていましたし。

 

自衛力:★★★★★

 

初めて登場した際は、能力の発動条件に「露伴の生原稿を1話分読んだ波長が合う相手にしか発動せず、しかも最初に読んだ人だけ」という厳しい制約がありましたが、だんだん緩くなっていき、最終的にスタンド像が指さすだけで相手を本にできるようになりました。*2大抵の相手はこれで瞬殺できます。

©「ジョジョの奇妙な冒険」コミックス44巻より

操作性:★★★★★

 

ヘブンズ・ドアーが強いのは露伴の漫画家としての腕があってこそだ」と主張する人がいます。確かに、序盤は完成した生原稿で対象を感動させねば本にできないという制約がありました。この性質のままだったら、操作性の評価は0になったことでしょう。しかし、能力は成長し、最終的に指さすだけで発動できるようになりました。これなら誰にだってできるので、評価は最大になります。

 

その成長だって露伴の精神の成長によるところが大きいのでは?と言う人もいるでしょう。その通りです。でも、このブログでは操作性の評価に精神力の概念は持ち込まないことにしています

もしも精神力の概念を持ち込むと、あまりに夢のない記事ばかりになってしまうからです。忘れられがちな設定ですが、精神力の弱い普通の人間がスタンドを手に入れても、高熱で死亡するだけですから、クレイジー・ダイヤモンドスタープラチナを手に入れるなんて夢のまた夢ということになってしまいます。

 

それに、露伴がスタンドに目覚めたのは形兆に矢で射抜かれたからであって技術がスタンドに昇華したわけではないので、能力に技術の概念を組み入れるのは、私は違うと判断しました。

総評

他人や動物の心を読めるだけでも便利なのに、そのうえ文字を書き込んでスペックを好きなように改変することもできます。これだけでいかに有用な能力かが分かるでしょう。

挙げ始めるときりがありませんが、大抵のことはこのスタンドで実現できると思って良いです。

このスタンドさえあれば他のスタンドはいらないのでは?とすら感じるほど。

というわけで、ヘブンズ・ドアーの総評は、Sです。

関連

第四部 ダイヤモンドは砕けないのスタンド一覧

 

*1:書き足せるだけで消すことはできないということか

*2:ちなみに、登場初期では露伴自身がこのスタンド能力を「ぼくのマンガが嫌いな仗助のようなダサい人間には通用しない」と解説していたが、後のハイウェイ・スター戦では普通に仗助を本にしている