今月はジョジョランズは休載で、「岸辺露伴は動かない」の3年ぶりの新作が掲載されています。
久しぶりの新作が嬉しいのはもとより、ホットサマー・マーサやドリッピング画法がもう3年前という事実に驚きを隠せません。この3年の間にも、6部アニメやジョジョランズ、7部アニメの発表など、ジョジョには本当に色んなことがありました。
あっという間に感じるのは濃密な時間を過ごせた何よりの証拠ですね。
それでは、岸辺露伴は動かない エピソード#12「ブルスケッタ」の感想です。
感想
今回のメインとなる敵はハワイ島に生息する「蛾」。
「月曜日 天気-雨」のロレンチーニャや「ジョジョリオン」のドゥードゥードゥー・デ・ダーダーダーといった不思議な生態を持つ昆虫は、荒木先生の作品にはつきものです。
普段はヒエラルキーの最底辺にいる虫が、突如として頂点たる人間に牙をむく構造が好き。
今回の蛾の生態は、"音に過敏になる"鱗粉を人間に吸わせ、獲物の探知に使うというものでした。人間はカタツムリが這う音ですら不快極まりない轟音に感じ、嘔吐や失神に見舞われます。
普通ならこのまま人間が捕食される展開になりそうなものですが、この蛾はあくまで「人間を使って」いるだけ。
ただ、生かさず殺さず、人間を単なる“生きたセンサー”として働かせ続けるのです。そこには「悪意」などという感情は一切なく、ただ、生きるためにそうしているだけ。それが逆に恐ろしい。
人間社会において、悪はしばしば動機を伴うものです。「静かに暮らしたい」「肉体を鍛えたい」といった欲望があり、そこに人間臭い葛藤やドラマが生まれます。
しかし、虫にはそれがありません。ただ“生きる”。そのためにただ“食べる”。今回のエピソードも、彼らの生きる道にたまたま人間が立っていて巻き込まれただけのこと。
この冷徹なまでに合理的な生存戦略が、暴力や脅しだけに限らない、より本能的な“生物"の強さ・恐ろしさを見せてくれるエピソードでした。
ちなみに、タイトルになっているブルスケッタは少し登場するだけであまり本筋には絡みませんが、最終ページには何と露伴先生の作るブルスケッタのレシピが記されていました。
材料を集めるのが大変そうだけど絶対美味しいので作ってみたい。
その他気になったこと
次号、9部露伴のフィギュアが応募者全員プレゼント!
9部に登場した露伴が早くもフィギュア化!ジョジョの一番くじのフィギュアと同じMASTERLISEです。来月のウルトラジャンプ購入者は8500円で応募できます。
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JOJOmagazine新刊の情報!
表紙は映画公開間近の懺悔室にちなんで、ヴェネツィアの背景をバックにゴンドラに乗る露伴先生がかっこいい。
荒木先生のトークイベントや映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」総力紹介など楽しみな企画が山盛りですが、注目は増田こうすけ先生のスピンオフギャグ漫画「エコーズACT50」。タイトルだけでもう面白いし、増田先生作画の康一が妙にしっくり来るw
2024 WINTERのうすた京介先生の「間田敏和の微妙な冒険」といい、名だたるギャグ漫画家が描くジョジョも新鮮で面白くて好き。
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