仗助を助けたリーゼントの少年について、事実と異なる認識をしている方が多いのでまとめました。
ネット上では「この不良の正体は仗助本人で、回収し忘れられた伏線である」といった主張をよく見かけますが、この描写が伏線であるという主張は四部連載中に荒木飛呂彦先生本人によって否定されています。
ソースはこの動画。出典は1994年発売の三部OVAのDVDに付属された、荒木飛呂彦先生とOVAの監督の北久保弘之さんの対談動画です。
12:46~
北久保「4部ってかなり長い構成なんでしょ?」
荒 木「いや、全然構成とかしていないんですけど」
北久保「ちらっとフリが有ったじゃないですか。仗助が過去の自分に会うとか」
荒 木「ああ、あれは関係ないです」
北久保「関係ない!?」
荒 木「あれはただの仗助の思い出ですよ」
この回想は町の住人に命を救われた仗助が、今度は町の住人を守るため、吉良という巨悪に立ち向かうという構図を作る重要な描写だと思っています。
それが「タイムスリップして、自分の命を守るために自分を助ける」だと全て仗助の中だけで完結してしまい台無しです。
もちろん、作品にどんな考察をするかは自由ですが、「第四の爆弾が登場してタイムスリップする予定だった*1」「荒木先生がこの描写について聞かれた際、『ああ、そんなのあったね(笑)』と答えた」などの話は全て都市伝説の域を出ないという事だけはご留意ください。
*1:確かに第三の爆弾は時を戻す能力だが、そもそもこの回想が描かれたのは吉良が登場するよりも前(そもそもJOJOVELLERのインタビューによると吉良を思いついたのが杉本玲美のエピソードが始まって3週目)なので、この時点で能力が第三→第四と、二段階も進化する構想があったとは考えづらい。ただし、JOJOVELLERのインタビューによると 「敵を『時間の輪』に閉じこめて、先に進めなくするスタンドの話は出来ないか?」という話は早い段階で出ていたらしい。