
今回のエピソードは、今まで敵に好き放題されてきた鬱憤を晴らすように畳みかけるような攻勢展開で面白かったです。
特にウサギの活躍は目を見張るものがありました。こういう気弱な人が勇気を見せる展開に弱いから目頭が熱くなる。
それでは、ザ・ジョジョランズ37話「ウサギと詐欺と猜疑心 その⑤」の感想です。
今回の話のポイント
シールのスタンド
足に貼られた、心を読むシールのスタンドの攻略法は「ライオンに足ごと噛みちぎらせた後、一緒にリチウムイオン電池も噛ませて発火で追い払う」というものでした。
前回「切り離すだけでいいならライオンを使う意味はあるのか?」と疑問視していたのですが、シールを貼られた人が剥がそうとすると幻影の妨害を喰らうため、第三者の協力は必須だと分かりました。
ちなみに、今回このスタンドの名前と思しき至近距離(ポイント・ブランク)という呼び名も判明。
元ネタはBruce Springsteenの楽曲の『Point Blank』。
『Bobby Jean』や『Glory Days』と同じアーティストです。
歌詞は「かつて輝いていた恋人が社会の冷酷さに晒され、生活保護の小切手を待つだけの存在に成り果ててしまった」というなかなかにハードなもの。
「背後から至近距離で撃たれる」というフレーズもあり、前回のジョディオの回想の着想元になってそう。
ウサギの活躍
ライオン相手に普通に素手で渡り合うパコとか、しれっとおねしょバラされたジョディオとか色々気になるとこはありますが、今回他の展開を全て持っていくレベルで活躍したのはウサギ。
ライオンを相手取るジョディオたちを檻の外から見ていたウサギですが、そこに彼の母親(アリソン)が登場。
当然と言うべきか彼女もポイント・ブランクの餌食になっており、ライオンの檻の中に突き落とされてしまいます。
妹が行方不明になり、今度は目の前で母親が食い殺されるかもしれないというあまりにシビアな状況。
追い詰められたウサギは覚悟を決めた…というよりは半ば錯乱したような状態ですが行動を起こします。
ライオンの群れに身を投げ、「クソ野郎オオオオオ 喰うならッ! オレのを喰らいやがれェェェ」と自分の足を噛みちぎらせたのです。
幻影たちはシールを貼った対象にしか干渉することができないので、足ごとシールを除去したウサギは妨害されずシールを剥がせるように。
一気に形勢が逆転しました。
いやー良いですよね、普段は一番小心者なのに土壇場の根性が凄まじいというのは。
特に「足を失う覚悟を決めた」のではなく「パニックのあまり足を失う重さすら判断できなくなった」ような描写なのが素晴らしいと思いました。
気が弱く我を失ったがために常軌を逸した行動に出れて、状況をひっくり返す。"ウサギらしい性格"のままそれが反撃に繋がっているというのが本当に良い。
行動を起こす前にウサギの心の声を描かず、いきなり檻の中に飛び込んでくるという描き方をしているのもそれを後押ししてると思います。
やっぱり荒木先生のキャラの行動原理のリアリティが凄く好き。
治癒能力が少なくて欠損が重い9部だからこそ覚悟がより際立ったと思います。
というか本当に義足になる可能性もありますね。あれほどの負傷はドクター・ロバーツでもさすがに治せないんじゃないだろうか。
敵本体登場
ウサギがシールを剥がしたことで、優位を失った敵本体が直接攻撃を仕掛けてきますが、ドラゴナはそれをスムース・オペレイターズで華麗に撃退。
皮膚をスライドさせることで目と口を塞いで無力化するという方法です。
クリーム・スターターの肉スプレーのような感じで、相当強いですよねこれ。「便利だけど接近戦には使えない」とか言ってきたのは全部撤回したい…笑
敵がナイフで首を切ろうとしてきていたので、チャーミング・マンの襲撃の再来か!?と思ってしまったのですが、それすらもフリにした反撃なのは予想外でした。
敵には今まで安全圏からいやらしい攻撃を仕掛けられてきたので、今回だけで全てひっくり返したのが凄い気持ち良かった。
前回の引きがジョディオとパコだったのに実際に活躍したのはそれ以外の二人だったというのも良い意味で裏切られました。
9部は本当全員に見せ場があるから良いよなあ。
疑問点
トリィの居場所
ウサギと母親の再会はもう少し先になると思っていたので、もう合流したのは意外でした。
ただ、まだ妹のトリィは行方不明のまま。敵は溶岩を手に入れるためウサギの家族を狙っていたので、まだ交渉材料として隠し持っているという感じなのでしょう。
幻影の発言によると他の敵メンバーに受け渡されたっぽい。
解消された疑問
ウサギの父
ウサギの父親の姿が幻影ではありますが明かされました。
このシール、標的に関係のある死人なら誰でも出せるような感じなんですかね。さすがに父親もシールで殺されてたってわけじゃないよね?
マックスとの関係
ウサギ母にとってマックスが交際(というか依存)相手であることが明かされました。
ネット詐欺の下っ端とかかなと勝手に思い込んでましたが本当にただの巻き込まれ一般人だったんですね…
父親が短髪でネクタイを締めて真面目だったのに、今はストリートファッションでやんちゃしてそうなマックスに依存しているというのは、母親の自立心のなさや未熟さを表してるようで、一家の抱える悲しみを感じてしまいます。
その他気になったこと
おねしょ
ジョディオが幻影に「つい最近までオネショしてた」とバラされる一幕がありました。一見軽いギャグ描写のように見えなくもないですが、調べたところ「マクドナルド・トライアド」に由来しているかもしれません。
これは1963年に精神科医のジョン・マクドナルドが提唱した仮説で、「将来凶悪な犯罪者になる人物は幼少期におねしょ・放火・動物虐待をする傾向がある」というもの。
この時の幻影はジョディオを反社会性人格障害としながら「放火」や「動物虐待」が好きなんだろうと問い詰めていたので、この仮説に基づいて並べられた可能性が高そうです。
ちなみに現在は「おねしょが犯罪者の兆候」という説は疑問視されています。
つまり幻影は勝手な思い込みでジョディオを非難しており、こういう「偏見で人を虐げる存在」がジョディオの敵として象徴的に描かれてる感じですね。
今後の展開
敵本体を捕らえたので攻勢に転じられるはずですが、まだトリィが拐われた状態なので油断はできません。
彼女の居場所と敵の目的を聞き出すために、ギャングダンスに負けないような拷問を見せてほしいところです。
そして、今回ウサギに注目を持っていかれてしまったので、ジョディオにも何かしら活躍してもらいたい!
ライオンに足を噛ませるという作戦自体はジョディオが考えたものですが、リチウム電池の策は完全に失敗に終わりましたからね。
冷静沈着なジョディオでは対処できなかった問題を気弱なウサギが攻略した、という対比になってるから良いのですが、やはり主人公として。
ジョディオにとって駆け引きは大の得意なので是非とも拷問テクを見たいです。
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