もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら ~「欲しいスタンド論争」に決着をつけるブログ~

もしもジョジョのスタンドがひとつだけ使えるとしたら、どのスタンドを選ぶのが良いか、を多方面から考察するブログです。

「ファニー・ヴァレンタイン」の「D4C(Dirty deeds done dirt cheap・いともたやすく行われるえげつない行為)」

D4C-ラブトレイン-は聖なる遺体が無いと発動できない能力なので今回は考えません。

能力値

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基本能力

  • 人や物を、何かで挟み込むことで、平行世界に転送する。本体自身も転送可能で、不可能なのは聖なる遺体のみ*1

 

  • 逆に、平行世界からオリジナルの世界(基本の世界)に人や物を転送することもできる。

 

  • 平行世界は無限に存在し、少しずつ何かが違っている

 

  • 違う世界の同じ人や物同士が出会うと、細切れになって対消滅する。本体のみは例外。

 

  • 平行世界の自分にスタンドを託すことができる。託された側が新しい本体となり、託した側の記憶が全て移動する

 

  • 平行世界はオリジナルの世界とほぼ同じだが、D4C聖なる遺体だけはオリジナルの世界の1つしか存在しない。

 

  • 平行世界に送る・平行世界から連れてくる行動はD4Cを使わないと出来ないが、元の世界に帰すことは、挟み込むことさえできれば誰にでもできる

評価

有用性:★★★★★

 

平行世界を無限に作り出せる、という能力はドラえもんもしもボックス*2を彷彿とさせます。

 

もしもボックスと違うのは、狙った世界に行ける訳ではないということです。

例えばオリジナルの世界では亡くなってしまった人が生きている世界に行きたいとしたら、その人が死んでいない世界線に当たるまで平行世界を移動しつづけて探す必要があります。

「運命」のせいか、その人が死んでいない世界線がいくら探しても見つからない場合もあるようです。

そんな困難はあるにせよ、引き次第では(根本的には別の人間ではありますが)故人に再び会うことができるというのは魅力的。例えば、故人の作家が生きている世界に行ければ、幻の新作が読めるわけです。こういった体験は、他のスタンドでは決して味わえません。

 

現実と似た世界でシミュレーションができる能力としても活用できます。

平行世界での行動がオリジナルの世界に影響を及ぼすことはないので、オリジナルの世界でやってみたいことを先に平行世界で試して、上手くいったらオリジナルの世界でも実行する、という風にすれば、人生において常に良い選択ができるようになります。

 

平行世界で好きなことをして、飽きたら元の世界に帰るという遊びも楽しそうです。

 

危険性:★★★★☆

 

同じ物同士が出会うと消滅してしまう性質はやはり注意しなくてはいけません。

うっかり消してしまっても、物ならまた別の世界から取ってくればいいですが、人の場合はそうはいきません。

自分の大切な人を失わないためにも、その人自身やその人にまつわる物はオリジナルの世界に持ち込まないのが吉です。

 

悪用性:★★★★★

 

殺人を犯す際は平行世界から同一人物を連れてくれば、殺害から証拠隠滅まであっという間に終わります。

そもそも一度平行世界に送ってしまえばD4Cの能力のからくりを解かない限り帰ってこれないので、都合の悪い相手を一時的に消し去るのに使えます。

©「スティール・ボール・ラン」コミックス19巻より

また、いつどんな状況でも何かに挟まれば平行世界に逃げられるので、悪事がバレても捕まる心配はありません。

捕まった際に床に押さえつけられでもしたらしめたものです。一瞬で抜け出してしまえます。

 

コピー品を別の世界から取ってこれるわけですから、自分が所有している高価なもの、例えば指輪などを別の世界から大量に持ってきて売り払えばお金儲けができます。

しかし、同じ物同士が出会うと消滅してしまうので、この方法はあまり有用ではありません。

お金持ちにはなれない…

 

またおそらくですが、平行世界を移動する際は、「その世界の対応する場所」から出てくるようになっています。(ディエゴを星条旗で挟んだ時は、ディエゴは平行世界の星条旗の中にワープした)

©「スティール・ボール・ラン」コミックス18巻より

これを応用すれば、例えばA地点からB地点まで移動する時に、

  1. A地点で何かに挟まって平行世界へ
  2. 平行世界でB地点まで移動
  3. B地点で何かに挟まって元の世界に戻る

という動作を挟めば、完全に足跡を消して移動できます。これは何かと利用できそうです。

 

自衛力:★★★★★

 

能力値を見て分かるように、スタンド自体の性能が高いので能力に頼らずとも十分自衛ができます。

 

能力を使うとしたら、逃げるのに使うのが良いと思います。相手は能動的には平行世界に移動することはできないので、絶対に逃げ切ることができます。

 

他には、隣の世界の自分を連れてきて即戦力にすることもできますし、そもそも挟み込むような攻撃は全て無効化できるのでダメージを受けること自体少ないです。

©「スティール・ボール・ラン」コミックス19巻より

致命的なダメージを負った際は平行世界の自分と入れ替わることで傷を完治できますが、結局オリジナルの自分はそのまま死んでいくことになるので使う価値は薄いです。

 

操作性:★★★★☆

 

何かで挟まないと能力が使えないという縛りがありますが、そこまで厄介ではありません。

カーテンの裏やドアの隙間など挟む場所は身の回りにたくさんありますし、「挟んだ」判定も甘く、落下する水ですら挟んだことになります。

もし雨が降っていればどこでも使えるようになります。

©「スティール・ボール・ラン」コミックス19巻より

厄介なのは、同じ物同士が出会うと対消滅するという性質です。慣れないうちは平行世界から物を持ってくるのは避けた方がいいでしょう。

総評

D4C無数に存在する平行世界を移動できます。

基本的な活用法はオリジナルの世界でやりたいことをシュミレーションする場所として使うことでしょうか。

 

また先ほどから「オリジナルの世界」という言葉を何度も用いていますが、平行世界はD4Cによって作られた世界という訳ではないので、どれが本物の世界かという区別はほとんどありません。(聖なる遺体の有無以外)

極端な話、自分好みの世界を見つけて住みつくのもアリかもしれません。

 

何にせよ、可能性を感じる能力ではあります。今回はその可能性を買いましょう。

というわけで、D4Cの総評は、Sです。

関連

第七部 スティール・ボール・ランのスタンド一覧

 

*1:ただし、平行世界への移動をお披露目した初回だけディエゴの所持する左眼球が平行世界に行っている

*2:望み通りの世界に行けるドラえもんひみつ道具